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歳末特別警戒スペシャルのクライマックスでは、BGMとしてベートーヴェンの第九をバックに青島たちが犯人と格闘するシーンがあるが、これは映画「ダイ・ハード」や新世紀エヴァンゲリオンのシーンと似た手法がとられている。
「踊る大捜査線 THE MOVIE」のクライマックスで、青島が煙突から出るピンクの煙によって監禁された警視副総監を探すシーンがある。そのシーンの画面が白黒になり煙突からのピンク煙だけを着色しているのは、黒澤明の映画「天国と地獄(1963年)」に出てくる煙突シーンとほぼ同じである(「天国と地獄」は全篇白黒作品だが、煙突からの煙のみ着色している。このような映画を「パートカラー作品」ということがある)。そのためそのシーンで青島は「天国と地獄だ」というセリフを言う。なお、このモチーフの使用や劇中での「黒澤塗料」の名称使用等については撮影前に権利者である黒澤プロダクションより正式な使用許諾を受けており、一部で批判(松本人志、太田光、井筒和幸等)されていた「パクり」行為等ではない(本広克行監督が「THE MOVIE」DVDのコメンタリーにて発言)。
さらに、THE MOVIE 2のOPではジャッキー・チェンのファースト・ミッションの実技訓練。 犯人グループの一人が東北訛りで「蒲田」のことを「カメダ」と発音するシーンがあるが、これは松本清張原作の「砂の器」に出てくる件とまったく同じ手法である。こちらでもすみれがそのシーンの後「砂の器……」とつぶやくセリフがある。
本広克行監督は機動警察パトレイバー文庫版第一巻巻末に寄せたコメントにおいて、「踊る大捜査線は機動警察パトレイバーに影響を受けた」と告白している。
このように他作品との類似点、すなわちオマージュが多く見られるのも特徴で、これはシリーズ作品を多く手がけている監督の本広克行が無類の映画やアニメ好きであり、「娯楽映画」と割り切って製作している事にも起因する。
潜水艦事件
潜水艦事件とは、「踊る大捜査線」で発生した架空の事件である。そもそもは「THE MOVIE 2」のために考え出されたプロットの一つであったが、さまざまな事情でボツになったものの、踊る大捜査線世界の中で「THE MOVIE」と「THE MOVIE 2」の間に発生した事件として「THE MOVIE 2」の中で青島と室井の会話で簡単に触れられるという形で残った。その後も映像化はされていない(但し「THE MOVIE 2」のエンドクレジットの中で潜水艦をバックに握手する青島と室井が一瞬映り、それが潜水艦事件のときのことだとしている)が、「容疑者 室井慎次」の中でこの事件に絡んで起こった裁判で青島の弁護をしたとされる津田弁護士が登場したため、「容疑者 室井慎次」のシナリオガイドブックなどの設定資料でこの事件の詳細が明らかにされた。
事件は2002年3月19日に湾岸署管内で発生した潜水艦「むつしお」の乗組員である海上自衛官の殺害事件に端を発する。湾岸署に捜査本部が置かれ青島たちが捜査に当たったが自衛隊が非協力的であったため捜査は暗礁に乗り上げ事件は未解決のままで捜査本部が解散してしまった。その後室井のもとに潜水艦の機密データの漏洩疑惑を告発する内部文書が届いたため室井は捜査の再開を決意し、潜水艦の艦長の協力で青島がコンピュータ技師になりすまして潜水艦に乗り込んで室井の指揮の元で捜査にあたった。青島の捜査の結果犯人が明らかになったとき、犯人は潜水艦を乗っ取ってテロを起こそうとし、東京湾に突入しようとしたがそれも青島によって防がれ事件は解決した。
※ 「容疑者 室井慎次」のシナリオガイドブック収録の年表および同書収録の「潜水艦事件についての公式記録」ではこの事件の発生は2002年であるが、「THE MOVIE 2」のシナリオガイドブック収録の年表ではこの事件を2001年のこととしている。同書の別のところで潜水艦事件は「THE MOVIE 2」(2003年)の2年前の事件であるとの記述もある(「THE MOVIE 2」劇中では、室井が青島に「2年振りだな」と言い、これに対して青島が「潜水艦の事件以来ですね」と答えるシーンがある。)ので単なる誤植とは考えられないため、これ以後に何らかの設定変更があったと考えられる。
ポスター
「第5話彼女の悲鳴が聞こえない」の中で容疑者宅を捜査している際に、部屋の中にあったポスターは士郎正宗原作『攻殻機動隊』の「草薙素子」のポスターである。そのポスターはスペイン製と思われる。
コート
通行証
湾岸署の捜査員は胸にWPSと書かれたバッジを着用。これは下に示す警視庁本部で使用される通行証(後述)を所轄に拡大解釈したもの。TVシリーズでは所属を示す顔写真入IDカードであった。
本庁の室井たちは胸にMPDと書かれたバッジをしている。これは実際に警視庁の私服勤務職員が外来者との区別のため庁舎内で着装する通行証をアレンジしたものである。当時の制作スタッフだったフジテレビ社員の一人が、元報道局記者で警視庁記者クラブに所属していた経験からのアイデアとも言われているが、踊る大捜査線にて初めて使われた演出ではなく、「沙粧妙子-最後の事件-(1995年 フジテレビ) 」の時点で既に使用されていたものである。
この小道具(以後、仮に「フジテレビ型」通行証と呼称する)が最初に使用されたのは前述の通り「踊る」より前に放送された「沙粧妙子-最後の事件-(1995年 フジテレビ) 」からだが、1985年に日本テレビで放送された「誇りの報酬」では既に当時の実物を基にしたデザインで通行証が登場しているのをはじめとして、他作品に於いて全く見られなかったわけではない。「沙粧」以後「きらきらひかる」、劇場映画「眠らない街-新宿鮫-(この作品では何故か新宿署内で署員も着用)」等フジテレビ制作のドラマ・劇場映画に於いて警視庁のシーンではほぼ必ず使用されており、最近では他系列のドラマでも実物に近いデザイン、フジテレビ型類似デザイン、果てはフジテレビ型そのものが頻繁に使用され、警視庁のシーンにおいてはほぼ標準の小道具となっている。さらに私服勤務員のみならず鑑識作業服や制服を着用している職員など、外来者と区別する必要のない出演者にまで着装させる誤用も見受けられるようになった。
実際の通行証は単なるバッジではなく、胸ポケットに差し込み「MPD」の文字がある部分をポケットのフチに引っ掛けているもので、差し込んでいる部分に顔写真と職名・氏名が記載されてたIDカード状のものがついており、警視庁本部庁舎に入構する際はその写真部分を各門警備の警察官に提示し身分証明を行う(フジテレビの『TEAM』にて、草彅剛演じる風見勇助が現場に入る際の身分証明(彼は警察官ではないので)に写真部分を提示しているシーンがある)。フジテレビ型では省略されているが脱落防止用にクリップが先についたチェーンもあり、これをポケットの端に付ける。 なお、所轄勤務の私服警察官・職員の本部入構用にバッジ部分だけの臨時通行証(来客用とは別のもの)が各門の受付に用意されているらしい。 また、警視庁主催のイベント用の通行証では、線がシルバーで描かれたマスコットキャラクター「ピーポくん」がDの隣に描かれている。 実際の私服勤務職員の通行証は青地に金文字でMPDと文字がある。また、警視庁記者クラブに所属する記者には同型式であるものの、青地が蛍光黄緑地で、紫色で「記者」と書かれた通行証が貸与される。
青地に金文字ゴシック体で「MPD」、その下に警視庁の英語名称である「METROPOLITAN POLICE DEPARTMENT」の文字が入るのはこのフジテレビ型独自のデザインである。これはあえて実物と違えることで万一盗難された場合に悪用を防ぐため、また警察知識の無い視聴者に対する解りやすさと実物以上の洗練さを狙ったことによるもので、実物は偽造回避を狙った特殊な字体(ワープロなどの書体Edwardian Script ITCに一番近い。Mは一部が違うが、PとDはほぼ同じである。)で「MPD」とだけ入っている。(警察手帳や通行証等の小道具で、本物と全く同じ形状や色のものはテレビ撮影用でも使うことができない。) ドラマで実物に一番近い形の通行証が使用されているのはテレビ朝日・東映製作の「相棒」で、字体や形状に関しては全くと言ってもいいほど同じである。同じ東映制作の「刑事追う!」では字体を変えたが形状の近いチェーン付きのものが使われた。
PC (パーソナルコンピュータ)
現在でこそ捜査中のPC携行は珍しくなくなりつつあるが、メカマニアの印象を出す為に、真下にはノートPC(当時40万円相当)を常時持たせている。映画「交渉人 真下正義」の時に使用していたPCは、IBMの(現Lenovo)Thinkpad X40である。
劇中用語
踊る大捜査線にて使用された劇中用語はいずれも、過去の刑事ドラマではあまり用いられることのなかったものである。それまでの刑事ドラマでは犯人のことを「ホシ」、事件のことを「ヤマ」などという隠語で呼ぶようにしていた。これは「太陽にほえろ!」など昔の刑事ドラマの影響が後の刑事ドラマ(「あぶない刑事」など)にも色濃く出ている為である。しかし、「踊る」においては全面的にこのような隠語が一般的な呼称として用いられていない。これは従来の刑事ドラマのステレオタイプを一掃する「踊る」自体のコンセプトと、放送時期的に昔の刑事ドラマと時代感覚がずれてきていることを鑑みて、また実際の警察内部においても従来からの隠語がほとんど使われなくなった(ドラマ、小説で多用される事で周知され、隠語としての機能が失われた)ことによると思われる。劇中では犯人のことを「被疑者・マル被」、容疑者の身柄を拘束することを「確保」と言い換えたり(「逮捕」と「確保」は意味が異なる)していた。
また、刑事課のみならず、警察内で警察官が使う「任同」「機捜」「現着」「追尾」「ローラー」「害者」「123」などの職業用語も多数引用され、一部は世間一般にも広まった。因に犯人と「被疑者」とは同義語ではないが、「マル被」という言い方は実際の警察の捜査員も使用する。また「確保」はあくまで身柄確保の意味であり、逮捕のみを指すとは限らない。また劇中では用いられたシーンは無かったが、「事件」を「事案」と称することも実際には少なくない。
「ホシ」「ガイシャ」などテレビドラマで用いられる警察用語は、NHKで放送された「事件記者」で用いられたものが原点といわれている。(ただし、すでに1949年公開の黒澤明監督作品「野良犬」の中で「ホシ」は特段の説明もなく使われていることから、それ以前にすでに広く知られていた可能性が大きい。)また、実際に警察官は外部で仕事の話をする場合、「会社」「社長」など一般ビジネスパーソン風の用語を用い、警察官であることを悟られないようにしている。 ちなみに警察の隠語としては、マルボー→暴力団担当刑事、マルソー→暴走族、うたう→自白する・・・などなど。これら用語は捜査員が手帳に記述する場合の手間を省くため、「暴力」の暴や「暴走族」の走などの1文字を○で囲んだことに由来する。