2009年12月05日

大衆文化

大衆文化(たいしゅうぶんか)、ポピュラーカルチャー、ポップカルチャー、マスカルチャーとは、ハイカルチャー(文学、美術など)に対して、一般大衆が広く愛好する文化のことである。一方、マニアックな分野を指す言葉としてサブカルチャーという言葉があり、こちらは大衆文化とハイカルチャー双方に跨ってマイナーな領域を示している。 ただしこれらの概念も時代的な変遷があり、厳密な定義は困難である。

かつて、ハイカルチャーを鑑賞するには一定の教養が必要であり、もっぱら貴族やブルジョワ、知識人層が享受するものであった。これに対して大衆の好む娯楽などは一段と低く、俗なものとされてきた。例えばクラシック音楽を鑑賞するにはソナタ形式など音楽についての知識・教養が必要であるが、大衆の好む音楽は鑑賞するための知識は必要なく、感覚的に楽しめるものである。
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20世紀になって大衆が実力を持つ大衆社会を迎えると、大衆文化の位置づけも変化せざるを得なくなった。大衆社会においては、高等教育を受けた人々も増加し、ハイカルチャーも広く一般に楽しまれるようになった。マスメディアの発達や複製技術による大量生産がこうした傾向を一層推し進めた。例えば、絵画であれば、美術館に足を運ばなくとも美術書・ポスターなどで見られるし、音楽もコンサートに行かなくともレコード・CD・テレビ・ラジオなどで気軽に楽しむことができるようになった。いわばハイカルチャーの大衆文化化である。

一方、かつて大衆の娯楽であった映画やジャズなどの中にも芸術作品と評価されるものが生まれるようになった。そして、第二次世界大戦後は知識人が大衆文化そのものの意義を積極的に評価する動きも見られた(鶴見俊輔の論考が古典である)。ハイカルチャーと大衆文化の境界も時代により変化している。

2009年11月29日

2005年9月30日

2005年9月30日
(1)参拝は、首相就任前の公約の実行で、(2)参拝を私的なものと明言せず、公的立場での参拝を否定もせず、(3)発言などから参拝の動機、目的は政治的なもの――と指摘したうえで「総理大臣の職務としてなされたもの」と認定した。「国が靖国神社を特別に支援し、他の宗教団体と異なるとの印象を与え、特定の宗教に対する助長、促進になると認められる」とした。高裁で初めて違憲とする傍論がなされた。しかし、判決は賠償の請求を退け国側の勝訴となった。
小泉総理は、この判決について同日の衆議院予算会議で「私の靖国参拝が憲法違反だとは思っていない。首相の職務として参拝しているのではない。それがどうして憲法違反なのか、理解に苦しむ」とし、「(今後の参拝に与える影響は、)ま、ないですね、(判決自体は)勝訴でしょ」と述べた。10月1日付産経新聞社説など、ねじれ裁判と批判する声も出た。
大沢孝征弁護士は、TBSテレビ『みのもんたのサタデーずばッと』(2005年10月1日放送)出演中、この判決について以下のようなコメントをした。
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「まったく同じ行為をですね、東京高裁は私的行為だといってんですよ、職務行為では無くまったくの私的行為だと。だから憲法判断しないということで、原告の請求を棄却している。今回の場合は、大阪高裁はその翌日なんですけれども、これは職務行為で、憲法違反に当たると、しかし信教の自由を侵害していないから賠償は認めないと、こういう判断をしているわけですね。と、どうなるかと言うと、国側は勝訴したわけです。だから(国側は)上告できない。となると、原告側が、(今回の判決は)憲法判断していないからと、上告しない限り(原告側が上告しなければ)、最高裁に行く事は無いんですよ。つまり(大阪)高裁の判決は確定してしまう。そうするとね、ちょっとやや、違和感があるのはね、本来ストレートに判断すべきなのは、信教の自由を犯したかどうかという憲法判断すれば、請求は棄却されちゃって、それで済んじゃう訳でしょ。でも、その前の職務行為を憲法違反と言った以上は、もう1つの方(職務行為を憲法違反とした判断)もね、賠償を認めないとね、それを正面から認めて、最高裁の判断を仰げば良いと、僕は思うんです。

2009年11月25日

源氏嫡流

源氏嫡流(げんじちゃくりゅう)とは、源氏の嫡流即ち、本家・宗家(またはこれと認められた家)の血統をいう。ただし、いわゆる源氏長者とは別に、意図的に政治的な理由からこのような概念が生まれたととらえることはできるものの、実際、源氏の嫡流という地位や名分があったかどうかは不明である。親子関係において「嫡子」のようなものは、父親の本拠地の相続した後継者に対してあったともいえるが、それが必ずしも系譜としての嫡流意識となったかどうかは問題がある。

真の源氏嫡流というものがあるとすればそれは、源氏長者を受け継いだ公家源氏の久我家にこそその名分があろう。もちろん、嫡流であるかどうかというより、同氏族内での身分の高さが長者としての地位を定める資格であり、けして嫡流と同義ではないことも付言しておく。
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同じく源氏といえども、公卿を輩出した公家源氏と武家の棟梁として活躍した武家源氏に分けられ、歴代天皇がそれぞれ輩出した、嵯峨源氏、醍醐源氏、清和源氏、宇多源氏、村上源氏など遠祖たる天皇により源氏の系統が大きく分かれる。故に源氏の嫡流といっても、それは源氏全体の嫡流ではなく、特定の源氏の、それも特定の系統を指すことが多い。

殊に鎌倉幕府の源氏将軍として栄えた清和源氏はその好例である。清和源氏の系譜においては二代目源満仲の長男 源頼光が満仲の嫡子(満仲の所領、本拠地の相続において)とされることから、頼光の子孫である摂津源氏や多田源氏の流れを嫡流という所説の一方で、八幡太郎義家が有名な、源満仲の三男での源頼信に始まる河内源氏を清和源氏の嫡流であるとする見方も一部にはある。

2009年11月07日

構築主義的な総合的定義

集合的な連帯感はほかのさまざまな社会的団体、家族や結社、商業組織に存在しうるもので、nationに限定されるものではない。主観的な意識は最低限の条件なのである。

解決の鍵はこうした主観的な要素が客観的な基礎の上に構築されると認識することである。現実の生活においては、nationのメンバーは、自分が集合的な連帯感によって繋がれて、ひとつの団体をなしているとはみなしていない。反対に、いくつかのそれ以外の要素を列挙する。共通の文化、祖先、歴史、政治制度、あるいは特定の地域への帰属意識などである。こうしたものによって彼らはひとつに結合されているのである。
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ベネディクト・アンダーソンの有名な定義がある

「nationとはイメージとして想像された政治共同体である――そしてそれは、本来的に限定され、かつ主権的なものとして想像される」
アンダースンによればnationは一種の人工物[15]であり、一個の「想像された政治的な共同体」である。しかし、このことは、nationが「虚偽の」存在であることを意味しない。採用すべき戦略は、想像の様式、及びこの想像を可能にした制度を用いて、この二つの点でのnationの特殊性を理解することなのである。

2009年10月30日

遠近レンズは

遠近レンズは遠くを見ている時間が長い目の使い方に適したレンズで、近距離用(通常30cm~50cm前後) ・中間距離用(通常50cm~1m前後) の視野が比較的狭い代わりに、常用して屋外の歩行や運転等でも使用できるよう、レンズ上部の遠距離用度数の視野が広く作られている。

中近レンズは室内でのデスクワークや読書、手作業等の近距離作業の時間が長い目の使い方に適したレンズで、遠距離用の視野はレンズ最上部の狭い範囲に限定される代わり、手元やPC等の近距離用から中間距離用の視野が遠近レンズよりも広く作られている。一般的な中近レンズは、会議・打ち合わせなどに必要な最低限の遠距離用視野はあるが、レンズの上下の真ん中付近は中間距離にピントが合う様に作られているため、屋外での使用には適さない。ただ、装用に慣れれば掛けたままで階段以外での屋内での歩行もある程度は可能である。 近年、中近レンズに分類される物の中でも、装用に慣れれば運転を除いた屋外使用が可能とされたレンズがあり、いわば遠近レンズと中近レンズの中間的な性格のレンズもある。
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近々レンズは近距離作業を主目的としたレンズで、レンズ下部が大きく近距離用度数になっており、レンズ上部が中間距離用の度数になっている。中近レンズと違い遠距離用度数の部分はない。特に近距離用の視野が中近レンズよりもさらに広く、座った状態での遠距離を見ない長時間のデスクワーク・読書・手作業等に適している。近距離用単焦点レンズ (一般に言う老眼鏡) の奥行き方向の明視域の狭さを、ある程度改善したものと言える。歩行には適さない。

遠距離用補正レンズ (台玉) の中に、小玉と呼ばれるより近距離用の度数の窓を作ったレンズ。上下で半分に分かれている物もある。一般には「窓のある両用レンズ」などと呼ばれる事が多い。

2009年10月19日

未成年者は制限行為能力者であり

未成年者は制限行為能力者であり(民法第20条)、未成年者の財産行為には原則として法定代理人の同意を要することになる(第5条第1項本文)。未成年者の法定代理人は、通常は親である(親権者)が、親権者と利益が相反する行為については家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならない(第826条)。親権者になり得る者がいない場合は、未成年後見人が選任される(第839条、第840条)。

前述のように未成年者が法律行為をするには、原則として、その法定代理人の同意を得なければならない(第5条第1項本文)。法定代理人の同意が必要な行為で未成年者が法定代理人の同意を得ずに単独で行った法律行為については取消すことができる(第5条第2項)。
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ただし、単に利益を得たり、義務を免れる法律行為については法定代理人の同意を得なくともよい(第5条第1項但書)。また、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産についてはその目的の範囲内において処分する場合や、目的を定めないで処分を許した財産を処分するときには未成年者は自由に処分しうる(第5条第3項)。さらに、一種または数種の営業を許された未成年者はその営業に関しては成年者と同一の行為能力を有するので、許可された営業の範囲で営業を行う場合には法定代理人の同意は不要である(第6条第1項)。以上の法定代理人の同意が不要な行為については未成年者が法定代理人の同意なく単独でなしたことを理由として取り消すことはできない。

2009年06月19日

サットンが提唱した染色体説がそのまま

サットンが提唱した染色体説がそのまま受け入れられたわけではないが、遺伝学的研究により、その内容は正しいと認められた。しかしその後、遺伝子の実体に関する探究は研究手法などの限界もあり、しばらく下火となる。モーガンはノーベル賞受賞講演において遺伝子の物理的実体にはあまり関心が払われていないことを指摘している。

遺伝子の実体が DNA であることが明らかにされるには、生化学や構造生物学の発展を要し、さらに10年ほどが経過する。またその間、分子生物学発展の駆動力となったファージの遺伝学でも染色体説に基づいた研究が行われた。生化学的、分子遺伝学的研究から染色体は DNA とタンパク質から成っていることがわかり、その後、生化学的、分子生物学、生物物理学的に遺伝子の物理的実体が DNA であることが明らかにされた。
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現在の生物学・医学では染色体説は当然の前提として扱われ、遺伝学の基礎として教えられるが、実際の研究においては科学史的な観点以外では意識されない。

年表 [編集]
1842年: カール・ネーゲリが染色体を発見。
1865年: グレゴール・ヨハン・メンデルによる遺伝の法則の発表。
1892年: ヴァイスマンが生殖質説を提唱。
1898年: ウォルター・S・サットンが修士課程の学生としてマクラング(カンザス大学)の研究室へ。
1900年: サットンがウィルソン(コロンビア大学)の研究室へ。
1900年: ド・フリース、チェルマク、コレンスらによるメンデルの法則の再発見。
1901年: マクラングがバッタで性染色体を報告。
1902年: サットンがバッタの減数分裂における染色体の挙動を報告、ここから遺伝の染色体説を提唱。
1903年: サットンはさらにこの説を明確に主張する論文を発表。
1904年: モーガンがコロンビア大学へ。
1905年: ネティ・スティーヴンズが甲虫コクヌストモドキで性染色体を報告。ウィルソンもハエやバッタで確認。
1906年: ベイトソンによって遺伝学 Genetics という言葉が作られる。
1908年: スティーヴンズがショウジョウバエでX染色体を確認。
1909年: ヨハンセンによって遺伝子(独: Gen, 英: Gene)という言葉が作られる。
1910年: モーガンの研究室でショウジョウバエの最初の突然変異体 white が発見される。
1910-20年代: ショウジョウバエ遺伝学による実証。
1914年: ボヴェリが「発癌の染色体説」を提唱。
1933年: ペインターが双翅目昆虫の唾液腺で多糸染色体を発見。
1933年: モーガンがノーベル生理学・医学賞を受賞。

2009年06月01日

阿片戦争は清側の敗戦であったが

阿片戦争は清側の敗戦であったが、これについて深刻な衝撃を受けた人々は限られていた。北京から遠く離れた広東が主戦場であったことや、中華が夷狄(いてき:異民族)に敗れることはまま歴史上に見られたことがその原因である。しかし一部の人々は、イギリスがそれまでの中国の歴史上に度々登場した夷狄とは異なる存在であることを見抜いていた。たとえば林則徐のブレーンであった魏源は、林則徐が収集していたイギリスやアメリカ合衆国の情報を委託され、それを元に『海国図志』を著した。「夷の長技を師とし以て夷を制す」という有名な一節は、これ以後の中国近代史がたどった西欧諸国の技術・思想を受容して改革を図るというスタイルを端的に言い表したことばである。この書は東アジアにおける初めての本格的な世界紹介書であった。それまでにも地誌はあったが、西欧諸国については極めて粗略で誤解に満ちたものであったため、詳しい情報を記した魏源の『海国図志』は画期的であったといえよう。
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アヘンの輸入量は1800~01年の約4500箱(一箱約60kg)から1830~31年には2万箱、アヘン戦争前夜の1838~39年には約4万箱に達した。このため1830年代末にはアヘンの代価として清朝国家歳入の80%に相当する銀が国外に流出したという。こうした銀の大量流出は国内の銀流通量を著しく減少させ銀貨の高騰をもたらした。乾隆時代には銀1両(約37g)は銅銭700~800文と交換されていたが、1830年には1200文となり30年代末には最大で2000文に達した。地丁銀の税額は銀何両という形で指定されるが農民が実際に手にするのは銅銭であったから納税の際には銅銭を銀に換算しなければならなかった。したがって銀貨が倍に高騰するということは納税額が倍に増えることに等しかったのである。

阿片戦争における清朝の敗戦は、清の商人によって、いち早く幕末の日本にも伝えられ、大きな衝撃をもって迎えられた。以前より蘭学が発達していた日本では、中国本土よりも早くこの戦争の国際的な意味を理解し、危機感を募らせた。そのため先にあげた魏源の『海国図志』もすぐに日本に伝えられている。幕末における改革の機運を盛り上げる一翼を、この阿片戦争から生まれた書物が担っていたのである。それまで異国船打払令を出すなど強硬な態度を採っていた幕府は、この戦争結果に驚愕し、薪水給与令を新たに打ち出すなど欧米列強への態度を軟化させる。この幕府の及び腰が、やがて明治維新という大きな流れとなり、日本を近代国家へと生まれ変わらせる事となる。

2009年04月29日

神道 分類

皇室神道 - 皇居内の宮中三殿を中心とする皇室の、すなわち天皇家の神道である。
神社神道 - 神社を中心とし、氏子・崇敬者などによる組織によって行われる祭祀儀礼をその中心とする信仰形態である。
教派神道(神道十三派) - 教祖・開祖の宗教的体験に基づく宗教。他の神道とは少し性質が異なる。
古神道 - 「民間神道・民俗神道」や原始神道・縄文神道・古道(中華文明の原始儒教も同意であるがここでは除く)とも呼ばれ、日本で古くから民間で行われてきたものや、修験などの古神道と習合した密教や仏教、あるいは道教の思想を取り入れた古神道などの信仰行事をいう。また、明治時代以降に古神道だけを取り出し、新たな宗派として設立されたものとしての復古神道に分類できる。
今日、単に「神道」といった場合には神社神道を指す。

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また、何に重きを置くかによって、

社人神道 - 儀礼を中心とする。
学派神道 - 教学を中心とする。
に分けられる。

なお、「国家神道」は特に1868年の王政復古の大号令から第二次世界大戦終結までの日本における国家の支援の下に行われた神道を指す名称である。教派神道の「『神道各派』から区別された神ながらの道は、とくに国家神道とも呼ばれるが、法律家や行政実務家は、以前からそれを神社と呼ぶのが例」[1]であり、戦前には単に「神社」と言えば国家に管理された「国家神道」のものを言った。現在では政教分離が進んで「神社」の語義が変化しており、「国家神道」を単に「神社」と称することはなくなった。また、「国家神道」の語をGHQによる捏造とする謬説については「国家神道」参照。

また、次のような分類もされる。

祭り型神道
宮中神道…宮中の祭祀
神社神道…通常の神社の祭祀
古神道…道祖神・田の神・山の神・竈神など
陰陽道系…土御門神道・いざなぎ流など
教え型神道
学派神道
復古神道…平田篤胤ら
理論神道…伊勢神道・唯一神道など
神仏習合系…両部神道・山王一実神道など
神儒一致系…儒家神道・理学神道など
教派神道
山岳信仰系…実行教・御嶽教など
霊示系…黒住教・金光教・天理教など
伝統神道系…出雲大社教・神道修成派など
新思想系…大本・生長の家・白光真宏会・世界真光文明教団・崇教真光・ス光光波世界神団・神道天行居など

2009年04月14日

中国武術では多くの武器を用いる

中国武術では多くの武器を用いる。中国武術においては武器は器械、または兵器と呼ばれるが、ここでは武器という呼称を用いる。使用される武器は門派によって異なるが全く武器を用いないという門派はない。そもそも武術の発達は戦時に武器を取って戦うことに始まることを考慮すると、武術の本質は武器術であり、徒手武術は武器を扱う前に学ぶべき身体の訓練であると考える人もいる。ほとんどの門派において、徒手格闘術と武器操法の両方を学ぶことで武術の理解が深まると考えられている。

武器操法は、武器の形状によって変化し、それに伴って基盤となる身法も若干変化する。よって、多くの武器操法を身に付けられることは、身に付けた武器操法と同じ数の身法を身に付けることとなる。ただし、武器操法は一つの武器に対して、多数存在する。また、武器操法を一つの身法で一貫しようとする門派も多い。

武器には非常に多くの種類があるが、剣、刀、槍、棍が4大兵器と呼ばれる。剣や刀のように片手でもって扱う、比較的短い武器を短兵・短器械、槍や棍のように両手で扱う長い武器を長兵・長器械等と呼ぶ。これらの分類以外に、鞭のように紐状のものを指す軟器械、手の中に隠す匕首などを指す暗器械、両手にそれぞれ器械を持つ双器械などがある。

短器械 [編集]

中国では剣は両刃で反りのないものを指す。近年は、よくしなるように作られている「軟剣」が主流。突、切、主体で、高度な技術が必要。大型の「双手剣」(両手剣)も存在する。

片刃で反りのあるものが刀である。叩きつけるように切る動作が多く、剣に比べれば動作は単純で力強い。
中国人から見れば、「刀」である日本刀を使うのに剣術あるいは剣道と呼ぶのは奇妙に思われるであろう。日本語では剣から発展して日本刀となった歴史経過からその語義には混淆があり、同じ意味の言葉として用いられることがある。中国語では日本刀は片刃で反りがあるので、"刀術"、"刀道"が正しい表記ということになる。
なお、日本刀が元になった苗刀(みょうとう)の場合、日本刀術にはない「平衡」を行うなど、新たに加えられた動作があるが、基本的な動作は同じである。

長器械 [編集]

棍という真ん中が端より少し太い棒である。よくしなる木の白蝋樹(アオダモと近似のトネリコ属)などで作られる。棍を使った武術である棍術が日本で言うところの棒術となる。なお琉球(沖縄)では中国と同じく棍、棍術である。戦う時に手近の棒を使うことは自然なことであるので最古の武器だと考えられる。棍術では嵩山少林寺のものが有名で棍の少林寺と称された。全ての長器械の基本となる動作を含んでいるために「棍を根と為す」という言葉がある。

白蝋樹の棒の柄の先に刃物をつけた構造である。槍は最も洗練された戦場での武器であると考えられている。演じて美しく、実用性も高い。使いこなすには高度な技術と身法が要求される。形意拳は槍の遣い手が創始したという。

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